2040年代に費用ピーク迎えるが、その半分近くが払えなくなる!○
◎ 日本の社会資本ストックの維持更新○
◎ 対策は「アセットマネジメント」「インフラ会計」○
◎ 2010年度ストック総額は750兆円○
 

維持更新の必要性に注目が集まりつつある日本の社会資本ストック。2040年代には費用のピークを迎えるものの、その半分近い金額の投資ができなくなる-。こんなショッキングなデータが公表された。
 (財)建設経済研究所(東京)は「社会資本ストックの維持更新投資と新たな整備の方向性」というレポートを公表した。
 レポートでは、2020年度頃に、既存施設の維持修繕・更新需要が、新たな建設投資額を上回り、新規建設ができなくなる、2040年代には年間20兆円を超える更新投資額が必要になり、その半分近くの金額が不足する、といった予測をしている。
 更新需要を分野別に見ると、今後、10年間で下水道・文教(学校)施設といった生活基盤に対する更新が求められ、2040年度頃から、道路など交通分野が対象になる。
 こうした更新需要に対する対策として「アセットマネジメント」や「インフラ(社会資本)会計」の必要性を挙げている。
 「アセットマネジメント」は、施設設計から廃棄までのトータルコスト(ライフサイクルコスト)を最小化する、また民間から資金・ノウハウを取り込んで社会資本整備を行う(PPP)方法。
具体的に国・自治体では「長寿命化計画」を策定し始めているところもある。その中では例えば橋梁の長寿命化によるコスト削減効果が今後50年間で17.4兆円にも達すると予測するものもある。
一方、PFIに用いられるプロジェクトファイナンスや、青森県が発行を検討しているレベニューボンド、といった更新費用を民間から調達する方法も改めて注目されている。
こうした「アセットマネジメント」が効果的に運用されるためにも、国民・市民が、インフラ状況を客観的に把握できるようにならなければならない。方策の1つとして、施設状況が数値化でき投資先の優先順位が明確になるような「インフラ会計」の確立を挙げている。アメリカでは「政府会計基準審議会GASB」が、適正保全費用実施により耐用年数による減価償却を行わない会計手法を提示している。
なお日本の社会資本ストックの実態・将来推計にも触れている。それによると2010年度におけるストックは750兆円強。対象は、道路、港湾、航空、鉄道、地下鉄など、公共賃貸住宅、下水道、水道、都市公園、文教施設、治水、治山、海岸、農林水産、工業用水道の15分野(国・自治体の建築・土木施設)。このストックは、2020年度には800兆円でピークを迎えると推計している。