(概要)
 2011年11月16日から18日まで、国連のPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)専門家チームと東洋大学大学院公民連携専攻(PPPスクール)・PPP研究センターによる、震災復興に向けた国際ワークショップが開催された。
 岩手県釜石市、遠野市、国土交通省東北地方整備局にて、PPPによる震災復興の可能性に関して、各地で活発な議論が展開されPPPの活用に大きなヒントを得られた。

 ワークショップでは、以下のようなポイントが議論された。

1.雇用創出
 被災地でPPPが必要な最大の理由は雇用創出への期待である。もともと経済と人口の縮小が始まっている地域に震災が追い打ちをかけた。被災が雇用を減らし、人口がさらに流出している。このままでは、物理的に復旧しても流出人口を取り戻すことが難しくなる。雇用のきっかけは国や自治体でもできるかもしれないが、維持し続けるのは民でなければできない。

2.復興特例
 国連チームからは、日本企業も含めて国際的に展開している企業にとって日本の市場ポテンシャル、経済の安定性は魅力的であるが、投資したくても実際に開業するまでの時間がかかりすぎるという問題があるため、復興特例で、用途転換や開発許可の時間短縮を認めてほしいという要望が出された。

3.先進技術
 釜石市では、がれき処理の民間プラント(産業振興・鹿島・タケエイ共同企業体)を視察した。分別により処分場の負荷を減らし、がれき処理の速度を速める技術が実証されていたためである。日本が世界に貢献できる技術でありぜひPRしたいとの認識が示された。また、欧米で盛んな木質ペレット産業の誘致により、がれき処理だけでなく、持続的な雇用創出、山林保全、再生可能エネルギーの確保の提案がなされた。今後、日本同様に急峻(きゅうしゅん)な地形を有する北欧諸国のビジネスモデルも研究されることになった。

4.後方支援
 内陸で津波被害のなかった遠野市では、同市の献身的な後方支援機能が称賛された。数次にわたる本格的な訓練が成功の要因と聞いた専門家からは、後方支援に関する世界の民間企業の技術やサービスを集積させる「後方支援産業拠点」というアイデアも誕生した。訓練に参加して自社技術の検証ができるのは、民にとっても魅力である。民の観点から見ると新しい発想が出るという好例であろう。

 今後の被災地の復興に向けて、ひとつでもそのヒント・きっかけになることが期待される。
 
(出典:東洋大学大学院公民連携専攻HP
http://www.pppschool.jp/article/14202202.html より)