◎介護・福祉・医療分野での雇用創出に104億円計上
◎重点分野雇用創造など基金事業は23年度まで継続
◎大震災への雇用対策進む

厚生労働省は23年度予算の雇用対策・PPP(公民連携)対策関連を明らかにした。「介護・福祉、医療などの分野における雇用創出」104億円、「地域における創意工夫を活かした雇用創造の推進」234億円を挙げる。「介護・福祉」は雇用創出の基金事業活用などにより地域における雇用創出を図る。「地域」は「地域雇用創造推進事業」(通称:パッケージ事業)などを活かし、地域の創意工夫による雇用創造を推進する。東日本大震災に対しては雇用保険からの失業給付などを進めている。

厚労省は23年度予算の雇用対策(職業安定局)関連で「介護・福祉、医療などの分野における雇用創出」(104億円)、「地域における創意工夫を活かした雇用創造の推進」(234億円)を地域対策事業として挙げる。
「介護・福祉」は基金事業などを活用、地域の雇用創出を図る。
基金事業は21年度に創設・22年度補正予算で拡充された「重点分野雇用創造事業」(補正分1000億円、全体事業規模3500億円)や、20年度に創設された「緊急雇用創出事業」(全体事業規模4500億円)、「ふるさと雇用再生特別基金事業」(全体事業規模2500億円)、を引き続き実施。「重点」「緊急」「ふるさと」はそれぞれ都道府県に国が交付金を交付し設けられた基金を使って、地域の創意工夫による雇用創出を促す。具体的な事業は各地域に委ねられている。3事業ともに期間は23年度末まで。
具体的に「重点」は介護・医療・農林・環境など成長分野での新たな雇用を生み出す。地方公共団体は基金を財源に民間企業などに委託、受託した民間は未就職卒業者を含む若者などを雇用、介護・医療分野などの事業を実施する。人件費を含む事業費は委託費として支給する。雇用期間は1年以内。
「緊急」も、「重点」とほぼ同じスキーム。雇用期間は原則6ヵ月以内。
「ふるさと」は地域の発展に役立つと思われる事業のうち、その後の事業継続が見込まれる事業を地方公共団体が計画し、基金を財源に民間企業などに事業委託する。民間が雇用創出を図る。雇用期間は1年以上。
「緊急」、「ふるさと」は、もともとリーマンショックによる雇用情勢の悪化を受けスタートした。基金事業のため23年度までの継続。
「地域における創意工夫を活かした雇用創造の推進」事業は、上記基金事業や、継続して実施されている「パッケージ事業」などを活用、「新しい公共」に対する支援を検討、地域の自主性・創意工夫による雇用創造を推進する。
「パッケージ事業」(23年度51億円計上)は、市町村や地元経済団体で構成する協議会が提案した雇用対策にかかわる事業構想の中からコンテスト方式により選抜するもの。協議会が作成した「地域再生計画」(内閣府事業)認定を条件に支援する。「計画」のなかに地域雇用につながる事業を盛り込む。
23年度予算雇用対策(厚労省職業安定局)関連は全体で3兆3996億9100万円。内訳は一般会計2606億300万円、労働保険特別会計雇用勘定3兆1390億8900万円。労働保険特別会計の主は「失業等給付費」。
東日本大震災への雇用対策では「雇用保険の失業給付」(特例措置で、震災被害による休業など、賃金を受けられない場合に失業者でなくても失業給付を受けられる)、「雇用調整助成金」(経済上の理由により事業が縮小し、そのために休業等を実施した会社が、休業にかかわる手当などを労働者に支払った場合、その額の一部を助成する制度)」(助成要件の緩和、支給額の上乗せ)などを行っている。また、補正予算でさらなる対策を検討している。