交付金事業にもゼロ債/自治体の認識統一施工時期平準化促す/国交・総務省通知

 国土交通、総務両省は、社会資本整備総合交付金事業や防災・安全交付金事業にも、いわゆる「ゼロ債務負担行為」の設定が可能であることを明文化した通知を、17日付で地方自治体などに送付した。交付金は複数の工事が含まれる整備計画に対して配分されるが、ゼロ債は個別工事ごとに設定される。配分決定前にセットしたゼロ債工事に、その後交付金を充てることの可否については、各自治体によって運用や解釈が分かれていた。今回の通知は、自治体側の認識のずれを統一するのが狙い。地域建設業の主戦場と言える自治体発注工事において、ゼロ債活用による施工時期の平準化を促す。
 「交付金事業にもゼロ債を設定できるようにしてほしい」とは、複数の自治体を始め、建設業団体からも要望が上がっていた。この取り扱い方について明確に記された文書などはなく、一部に「使えない」といった思い込みや誤解が生じていた。実際、中には活用中の県もあるという。
 総務省自治行政局行政課長と国交省土地・建設産業局建設業課長の連名による通知は、都道府県・政令市や議会事務局に送り、管内市町村への周知も求めた。また、国交省官房技術審議官名で、全国10地区にある各地域発注者協議会にも発出。建設業105団体にも参考送付した。
 年度当初に事業が少なくなることや納期が年度末に過度に集中することを避けるため、早期発注や債務負担行為の活用により、計画的な発注に努めることを要請。一般的に行われているという2カ年県債工事などに加え、契約初年度に支出を要さないゼロ県債工事にも、交付金の充当が可能であることを明確化した。
 例えば、A工事へのゼロ債設定を12月議会で決定し、当該年度中に入札・契約手続きを済ませておけば、支出が伴う翌年度のスタートと同時に、現場着手できる。寒冷地では降雪期の間に契約までを完了させ、雪解けを待ってすぐさま施工に入れるし、全国的にも出水期前の4月当初から河川工事を始められる。
 交付金を充当できるのは当然、国交相に提出した社会資本総合整備計画に位置付けられている事業。ただし、ゼロ債を設定したからといって、交付金の配分が保証されるわけではない。
 通知ではこのほか、国交省直轄工事で取り組んでいる不稼働日を踏まえた適切な工期設定や余裕期間制度、繰越制度の活用も紹介している。
[建設通信新聞  2016-02-19]