東京都、立川の政府倉庫購入 災害に備え備蓄拠点に

 東京都は立川市にある政府倉庫を購入する方針を固めた。2016年度に国と契約を結び、払い下げを受ける。警察や消防、自衛隊などが集まる「立川広域防災基地」の一角という立地を生かして災害時の食料や支援物資の備蓄・配送拠点として活用する案が有力だ。首都直下型地震に備え防災倉庫の分散化を進め、都全域での災害時支援機能の強化につなげる。

 都は購入費用などとして約76億円を16年度予算案に盛り込んだ。実際の売買価格は国と都がそれぞれ資産価値を鑑定した上で協議で決まる。払い下げについては既に内諾を得ており、都議会での予算案の議決を受けてから契約を進める。

 立川政府倉庫の一帯は1977年に返還された米軍立川基地の跡地。現在は国立病院機構の災害医療センターなども立地する立川広域防災基地となっている。

 倉庫は農林水産省の所管で、敷地が2.2ヘクタール、延べ床面積が2階建てで1.7ヘクタール。1990年に完成し、政府米の備蓄などに使われてきた。業務の民間委託に伴い、2010年に用途廃止されてからは放置されていた。

 14年には、新任の舛添要一知事が始めた都政の現場視察で最初に足を運び「防災のために使いたい」と表明。その後、首都直下地震への備えを進める都と立川市が共同で国に防災対策での活用を緊急提案していた。

 現在、都の防災倉庫はほとんど23区内に集中しているため、広域での防災強化には多摩地域で倉庫を確保する必要もあった。

 都は立川政府倉庫を購入後、電源や低温設備などを点検し、必要があれば補修・改修して防災備蓄倉庫に転用する方針。東京のほぼ真ん中に位置するため、非常時に都全域に食料などを配送する拠点になるとみている。これまでも例えば奥多摩地域が大雪で孤立した際に、このエリアから東京消防庁や自衛隊がヘリコプターで支援物資を届けたことがある。

(日本経済新聞 2016年2月10日)